ちょっとだけ怖い話。

兵庫県は西宮市の住宅街にコッソリある
幸得 潤眼鏡院
店主の幸得です。


眼鏡業界でお世話になって早30余年
今日は昔々の個人的な思い出を一席。


さて、あれは
今から20数年前
私は当時大阪の中央区にある、
とあるお店の責任者でした。


ある日、
一度眼鏡をおつくりした中年の女性が

息子さんの中学生の男の子を連れて来店され
お母さま曰く

 

「私は遠視と乱視の目なのに、
  今、息子を眼科で診てもらったら近視と言われた、
      絶対おかしい、私と同じはずなのに!
         ここでもう一度検査してください」と


「いえいえ、お母さん、いくら親子でも、目は別ですよ
お母さんが遠視だからって息子さんもそうとは限りません。」


と、心の中で反論しながらも、


気の弱い私が大阪の中年女性(上品な表現に変換しております)
に逆らえるはずもなく、直ちに検査に取り掛かりました。


通常の片方を遮蔽した検査方法では
やはり左右とも弱度の近視と弱度の乱視でしたが
当時、勉強しかけていた
両眼開放屈折検査や両眼調節バランステスト等

(このあたりは一般の方は読み飛ばしてください)を行ったところ、
なんと、みるみるうちに、左右ともに遠視に変化していきました。


恐るべし母親の直感!!


もし、素直に処方箋そのままに眼鏡を製作していれば
そのお子さんはとんでもなく、不快かつ視機能に悪影響を及ぼす
眼鏡を掛けさせられることに。

 

それ以来、技術力の重要性が身に染みたと云う
眼鏡屋おやぢの独白でした。