人は千差万別、十人十色、ナンバーワンよりオンリーワン。

先日、お母様と10歳のお子様がご来店。

近視を点眼治療で弛めようということで

眼科さんに通われていたが、ついに先生から

 

「近視決定だね」と言われメガネを作りに来られました。

 

こちらで視力の測定をしましたが、

そのお子さんは少し注意散漫な様子。

計測器に集中して向かえない感じでした。

 

近視はそれほど強いものではないのですが、

完全に補正して0.8ちょっと。眼に問題のない

若い人としては少し物足りない視力です。

 

お母様とも話して、とりあえずは黒板とかテレビとか

やや離れて見づらい時に使いましょうと

少し弱めた近視のメガネをお求めいただきました。

 

ご本人はそのメガネでよく見えるようになって

喜んでいる様子でしたが、私はやや注意散漫なところと

シャキッと視力が1.0まで見えないことが気になっていました。

 

店が終わってからはたと思い出したことがあります。

以前、受けてきた眼科学のセミナーです。

ここで小児の視力の話をされた講師の視能訓練士さん。

 

なかなかいうことを聞いてくれない小さなお子さんや

赤ちゃんレベルの被検者の眼を日夜測定され

奮闘されているのですが、お話の中で「字づまりの視標」と

「字ひとつの視標」で興味深いことをおっしゃっていました。

 

「字づまりの視標」とは平仮名などが三段四列のように

たくさん並んでいる表です。対して「字ひとつの視標」とは

文字通り平仮名などがひとつだけ書かれている視標。

 

これらの視標ですが、お子さんの発達の度合いによって

小学校低学年でも字づまり視標を見せられると視力が下がり、

字ひとつ視標だと視力が向上することがけっこうあるそうです。

 

10歳くらいのお子さんでもたまにいるとも。

つまり視力の問題ではなく発達の問題だそうです。

ごちゃごちゃ書かれている字づまり視標では

それぞれ一つを判断するのが難しくなるのですね。

 

このようなお子さんに字ひとつ視標を見せると

ちゃんと答えることがあるのだとか。

この話を測定中に思い出して字ひとつを見てもらいたかったなーと

残念に思いました。分かったからといって発達について

私からどうこう言えるものでもないのですが、

 

視力は、近視や乱視のようなこととは

別に俯瞰した見方が常に必要だと思った一件でした。