斜視と斜位。

こんにちは、東京は吉祥寺のopteria-Glassiasの伊藤です。

うちのお店は14年前に創業し、お蔭様で、斜視や斜位の矯正という点で
お客様に喜んで頂き、今に至ります。

 

これを読んでいるかたにすれば、

え?斜視?そんなニッチな人向けのお店が

激戦区の吉祥寺で生き残れるの?

って感じませんか?

僕の知る限りでは全人口比で斜視の方の比率は

 

3%

 

100人の通行人がお店の前を通れば3人が対象者になります。
勿論そのニッチな商売が上手くいく程吉祥寺という町は甘くない様です。

実は斜視の方にこんなサービスがあるよ。ってアピールし始めたのは、
つい最近、ここ数年の話です。

 

公式プレスリリースURL↓(2016/2/2)
重度の斜視矯正に“手術以外”の新たな選択肢を 顧客の負担を軽減する
「矯正用眼鏡」が提供可能に ~ メスを入れずに眼鏡で安全に矯正 ~

 

ですから10年以上斜視矯正がメインではなく、

斜位に対応した眼鏡を作ってきて
ご評価頂いたという事です。

 

さ、そこで問題です。

斜視と斜位ってその差は何でしょう?

字は似ていますが、実はまるで違う事柄をさしています。

斜視とは何?と言われれば皆さんなんとなくイメージ出来ますね?
右目と左目が同じ方向を向いていない状態をさす言葉です。

 

では斜位とは?

 

それは特殊な器具を使って測定しないと測定出来ない目線のずれで、

その斜位の有無、斜位の量を測定し、

メガネ作りに活かしている眼鏡屋さんは

会社の大小、規模を問わず少数派と
言って差支えありません。

 

多くの会社がサービスしていない検査法であり、検査理論であれば、
その必要はないと多くの会社が判断しているという証左ではないのか!?

と怒られた事もあります。そうなのかもしれません。

 

実は僕はそのご指摘に対する明確な反論が出来ていません。
ただ一つ言えることは、僕のお店は、その「斜位の矯正」で
喜ばれて今があるという事実だけです。

 

ただ負け惜しみの様に一言指摘すれば、

ブルーハーツの甲本さんが言っていたというお言葉、

 

「一番売れているラーメンが一番美味いんなら、

一番美味いラーメンはカップヌードルだよね。」

 

って端的に商業主義の矛盾を指摘されています。

 

そう、僕は少なくとも斜視や斜位の矯正では、

沢山売れずとも世界で一番上手に作れる眼鏡士を目指しています。

美味しいラーメン屋さんは一日に作れる限界の量を

超えて販売する事が出来ずに売り切れ次第完売という形でお店を閉めます。

 

それはスープを作るには時間も手間かかるからです。

僕もそうです。一人の視力測定で早くとも30分、

かかれば1時間以上の検査時間を掛けます。
それに加えてフィッティング、

フレーム選びの時間も考慮すればご予約頂くと
一枠2時間確保します。

 

うちの営業時間は11時~21時ですから10時間お店を開けています。

 

つまり

 

2×5=10h

 

一日に5人がどう考えても限界だと言えます。

 

それ以上は時間切れなのです。ですからご予約が埋まっていれば、
沢山お客様が来ても日を改めて再度ご予約頂いています。

これが多くの眼鏡士がやらない理由でしょう。

 

一日に5人が限界?

 

それじゃ儲からないよ。と判断したのです。

僕は、それなら儲かる仕組みを作れば良いと

判断してお店を起ち上げたのです。


うちのお店は平均単価というものをHPで公表しています。
それは、今まで説明してきた経緯から、

うちのお店が事業を継続する為には、
最低でもこれだけの売価が必要ですという決意表明でもあります。

 

その出した単価はおよそ世間の単価の3倍です。

うちのお店は安さを売りにはしていない事が、
この平均単価からも読み取れるでしょう。

 

逆に言えば安さを売りにしてはしっかりと
機能する眼鏡は仕立てられない事を意味しています。

さて大分脱線しました(汗)

 

斜位とは、特殊な器具を使わないと測定出来ない、

また多くのお店がその測定をしていない。

結果として多くの国民に斜位の存在や

その矯正の意味や意義が知れ渡って
いない事を説明したくて紙幅を費やしたのです。

 

斜視は全人口比で3%

 

では斜位の方って、全人口比でどのくらいいるのでしょう?

僕は反論を恐れずに敢えて言えば、

100%の方に斜位は存在するというでしょう。


でも日本の全国民にその斜位の矯正が必要か?

と問われればそれはNOと答えます。

 

では実際に全人口比で何%の方に

斜位を矯正する必要があるのでしょう?

 

これが実は難解なのです。それは斜位矯正の必要度は、

皆様の暮らしと密接に関り、国民の皆様の暮らしぶりの変化で

常に変化していると僕は思うからです。

 

例えばここ数十年にフォーカスしても、

ファミリーコンピューターの登場でお茶の間テレビがゲームに変わり、
光るモニターを注視する時期が到来し、

 

その後Windows95の登場とともにパソコンが普及しだしました。
Pcの普及もひと段落をすると

 

次はスマフォも普及期になり、そして今に至ります。

 

PCもデスクトップからノートPCに変化したように、

皆様を取り巻く視環境は常に変化しているのです。


きっと10年後はもっとアッと驚くデバイスが登場し暮らしが変貌します。

その度にこの斜位矯正の必要度や検査理論でさえも

変化すると僕は予想しているのです。

 

少なくともここ1年程の弊店での斜位矯正の為に

プリズムという度数を入れるのですが、
そのプリズム度数の処方比率は直近で85%です。

 

ではあるメーカーのプリズム度数が加味されて

製作されて出荷された比率はどの程度なのでしょう?

 

それは

 

3%前後と聞いております。

 

僕はこれを空恐ろしいと感じているのです。

 

僕は僕が正しいとは絶対に言いませんが、

もしも僕が正しかったとすると

 

85%-3%=82%

 

82%の方が僕が視力測定するとプリズムを入れると
判断するのにそのサービスを受けられていないのです。

 

このプリズムを必要とする比率が実際にどの程度なのか?
それは共通のフォーマットで電子カルテを作りクラウド化すれば
もう少しビッグデータが出来て、より精密なデーターが構築できるでしょう。

 

ですが、現状日本の中小零細眼鏡店の

多くは電子カルテを導入しておりません。


集積/解析まで出来るAIがもう普及期に入っているのに、

未だにそのビッグデータ構築の動きが日本で

進んでいないことに僕は多少焦っています。

 

勿論僕はその動きも水面下でしているのですが、

何か発表出来る日が来たら、こちらでもご案内します。

 

何しろ知識/情報の共有が多くの発見や進化を促すのです。

いや~簡単にまとめるつもりが長くなりました。

 

皆様は斜視という言葉に加えて脳みその辞書に斜位という

言葉も書き加えて頂けると幸いです。


最後までお読みくださり、本当にありがとうございます。